12月1日 第178号

『第60回記念大会 全国児童養護施設長研究協議会(大阪大会)』開催
〜906名の参加を得て、大会宣言が採択されました〜

「子ども・家庭福祉の明日に向けた宣言」
わが国は、急速に進行する少子化の中で、「家庭における養育機能の低下」をキーワードとする家庭内養育不全の状況が進行しております。とりわけ、近年の家庭内虐待やD・Vの急速な顕在化は、社会的養護を必要とする子どもたちの急増と、その子どもたちの発達課題の重篤化につながっています。
そのため児童養護施設では、満床状態に加え重い心的課題を抱えて個別的、治療的ケアを要する子どもたちが増加し、その養育に混迷、混乱が生じているのが現状です。
こうした中、児童養護施設内における子どもへの体罰や不適切な関わりなど重大な権利侵害事件が発生しており、極めて残念と言わざるを得ません。
児童養護施設は、いつの時代も社会でもっとも弱い立場にある子どもたちの権利を守り、子どもたちの安心、安全の拠点であり続けなければなりません。
しかし、今日の社会的養護のシステムは、戦後の孤児対策としての「収容保護パラダイム」を枠組みとした「制度」と「養育」のままにあるといっても過言ではありません。
今日の重い発達課題を抱える子どもたちの回復と、その『子どもの最善の利益』を実現するためには、子どもの発達権保障を基軸とする制度、施策の実現が急務な課題であります。
第60回全国児童養護施設長研究協議会記念大会を迎え、わたしたち児童養護施設関係者は、真に子どもの権利擁護と自立支援を旨とし、すべての子どもたちの『最善の利益』の実現に向けてその活動に取り組むべく次のとおり宣言します。

一. わたしたちは、いかなる理由があろうと、体罰や不適切な関わりによる一切の子どもへの権利侵害を否定し、すべての子どもの権利擁護と自立支援に努めます。
一. わたしたちは、これまで培ってきた養育のあり方を検証するとともに、自らの専門性、援助技術の向上に努め、『子どもの最善の利益』の保障に資するとともに、培った養育機能を地域社会の子育て支援・虐待防止に活かし、すべての子どもたちの健やかな発達に貢献します。
一. わたしたちは、子どもが国の未来であるとの視点と、国家百年の大計に立って「子どもの発達権保障を明確に捉えた子ども家庭福祉制度」の確立をめざし、子ども家庭福祉機関、組織と連携協力し、その実現に取り組みます。

平成18年11月22日
第60回全国児童養護施設長研究協議会 全国児童養護施設協議会

秋の叙勲・褒章受章者、決定

9名の児童養護施設関係者の方々が、今年の秋の叙勲を受章されました。
長年にわたりますご尽力に感謝するとともに、心よりお祝い申しあげます。
○叙勲 (瑞宝双光章)
越川 和哉 様(千葉県−蛍雪学園、現・施設長、児童福祉功労)
椿  光忠 様(茨城県−誉田養徳園、現・施設長、児童福祉功労)
中村 千榮 様(和歌山県−丹生学園、元・園長、児童福祉功労)
○叙勲 (瑞宝単光章)
阿満 弘枝 様(徳島県−阿波国慈恵院、現・保育士、児童福祉功労)
長ヶ部和子 様(東京都−錦華学院、現・保育士、児童福祉功労)
表  雅一 様(石川県−伊奈美園、現・施設長、児童福祉功労)
谷口  祐 様(愛媛県−みどり寮、元・次長、児童福祉功労)
中條  敬 様(大阪府−羽曳野荘、現・施設長、児童福祉功労)
野中 悦子 様(三重県−みどり自由学園、現・主任保育士、児童福祉功労)

研修会のご案内

 @平成18年度「全国児童養護施設中堅職員研修会」〜新しい児童養護施設と中堅職員の役割〜
  日 程:平成19年1月17日(水)〜19日(金)
  会 場:東京ファッションタウンビル(東京都江東区有明3-1)
  対象者:児童養護施設中堅職員(児童養護施設におおむね5年以上勤務している方)150名
  申込方法:「開催要項」をご確認のうえ、所定の申込み用紙(11月中旬にすべての児童養護施設に送付済)を名鉄観光サービス鰍ノお送りください。
  申込〆切:平成18年12月15日(金)※定員になり次第〆切いたします。

 A平成18年度「ファミリーソーシャルワーク研修会」
  日 程:平成19年2月14日(水)〜15日(木)
  会 場:全国社会福祉協議会 灘尾ホール・5階会議室
(東京都千代田区霞が関3-3-2新霞が関ビル)
 対象者:乳児院・児童養護施設・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設の家庭支援専門相談員および母子生活支援施設の母子指導員・少年指導員/ファミリーソーシャルワークに従事している方/児童相談所等行政関係者等
  申込方法:12月中旬頃すべての児童養護施設に「開催要項」をお送りいたしますので、内容をご確認のうえ所定の用紙にてお申込みください。

調査研究部「平成18年度調査へのご協力のお願い」(平成18年11月実施)

 調査研究部では、現在(調査1)「全国児童養護施設 心理療法担当職員に関する実態調査」、(調査2)「平成18年度児童養護施設事業実施状況等調査」の2種類の調査を実施しています。調査票については、11月中旬にすべての児童養護施設に発送済です。年末にむけてお忙しい毎日だと存じますが、何卒ご協力くださいますようお願いいたします。

 提出〆切:平成18年12月15日(金)
 提出先:郵送またはFAXにて全国児童養護施設協議会事務局宛にお送りください。

その他

@「児童養護における人権擁護と人権侵害の禁止・防止・対応のための要項およびチェックリスト改訂版(第一次試案)」について

本会では、平成18年度事業計画の重点事項として標記チェックリストを総務部会等で検討を重ねてまいりました。本年度に入り、相次ぐ不祥事件等の発生からも、全養協として人権擁護に関する考え方とその防止のための取り組みを求められてきたところであり、平成18年11月の第60回大会において第一次試案を提示いたしました。そのうえで、本大会の基調報告において、このチェックリストの第一次試案により全会員施設で自己点検等に取り組んでいただくことを説明いたしました。
また、併せて厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課とも複数回にわたり協議を重ねるととともに、本会常任協議員会による文書審議(12月4日付)において概ね承認の回答を得たところでございます。
つきましては、全施設に対し「人権擁護の自己点検にむけて本要項およびチェックリスト」を送付いたしますので、お取り組みをよろしくお願い申しあげます。
また各施設での自己点検結果につきましては、回答用紙に施設名記入のうえ、平成19年1月31日(水)までにご返信をいただきますようお願いします。回答用紙裏面には貴施設において、児童の権利擁護を実現するにあたって、課題となっていること、意見や要望、本チェックリストの改善点等をご自由にご記入ください。皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

《チェックリスト回答用紙 返信〆切日:平成19年1月31日》

A 平成19年度「JOMO奨学助成事業」について
12月上旬にすべての児童養護施設宛に「実施要領」を送付する予定です。今年度高校3年生の在籍児童で、進学を検討されている児童につきまして、ぜひ積極的にご活用ください。

(内 容)
児童養護施設在籍児童で高校卒業後、大学・短大・専門学校等へ進学する場合に支度費として10万円を助成する(※詳細については、後日送付する実施要領をご確認ください)。
(参 考)
平成17年度実績(児童養護施設分):143名に助成(総額17,500,000円)
 
B 2007(平成19)年度「メイスン財団奨学制度」について
平成19年1月上旬にすべての児童養護施設宛に「実施要領」を送付する予定です。今年度高校3年生の在籍児童で、進学を検討されている児童につきまして、ぜひ積極的にご活用ください。

(内 容)
1) 主 催:財団法人東京メソニック協会
2) 助成対象:
全国の児童養護施設を退所し(措置延長者含む)高校卒業後、平成19年4月に、大学、短期大学、専門学校等に進学する向上心旺盛で、特に経済的援助を必要とする者若干名。
ただし、他の機関から授業料の助成を現に受けている者および授業料免除の者(特待生等)は除く。(授業料以外の助成は可。例:雨宮児童福祉財団の入学金助成、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金JOMO奨学助成など)。
3) 助成期間
進学した学校を卒業するまで。ただし、退学・休学・留年の際は助成を打ち切る。
4) 助成内容:進学する学校の授業料。ただし、年50万円を限度とし、返済は不要。
5) 日 程:募集要項を配布:平成19年1月 申込〆切:3月末
6) その他:最終選考に残った場合、施設長の推薦文と本人の志望動機を英文で作成していただきます。

C 第60回全国児童養護施設長研究協議会記念誌「子ども・家庭福祉の明日にむけて」(販売のご案内)
  本誌は、第60回記念大会全国児童養護施設長研究協議会をむかえるにあたり発刊された記念誌です。
(内 容)
第1章:施設養護の足跡と展望(戦後の施設養育論の検証と実践論について)
第2章:社会的養護改革の回顧と展望(改革の経緯、社会的養護の現況と展望について)
第3章:社会的養護を彩った人たち(社会的養護の各分野で活躍された先駆者のインタビュー)
第4章:全養協10年の歩み

 (頒 価)1冊:3,000円
(申込方法)FAXにて、@勤務先名、A氏名、B送付先の郵便番号・住所、C内容・冊数、D電話・FAX番号を明記の上、全国児童養護施設協議会事務局(FAX:03-3581-6509)までご連絡ください。
※残り冊数が少なくなっておりますので、お早めにお申込みください。

D 平成19年度社会福祉主事資格認定通信課程 受講者募集(12/1〜1/31)
全社協・中央福祉学院では、上記通信課程の受講者募集を、来月から開始します。
1) 募集期間 平成18年12月1日〜平成19年1月31日
2) 受講期間 平成19年4月1日〜平成20年3月31日
(通信学習期間は平成19年5月15日〜平成20年1月31日)
3) 受講資格 (1)民間社会福祉事業*従事者
*社会福祉法人その他の公益法人等が経営する社会福祉施設や団体等
(2)平成19年度中、申込み時の所属法人に勤務(予定)
(3)受講についての職場の了諾
※申込者は、受講希望者勤務先の所属長。個人申込不可
4) 定員 3,400名
5) 受講料 80,000円
6) 学習内容 @通信授業、A面接授業(スクーリング)、B修了テスト(修了見込者のみ)
詳細は、ホームページをご覧いただくか、TEL 046-858-1355 へご連絡ください。
全社協・中央福祉学院(http://www.gakuin.gr.jp/)トップ→お知らせ

E 全国児童養護施設一覧(62頁) 電話番号の変更(11/1〜、山梨立正光生園)
(旧) TEL 055-235-1783 → (新) TEL 055-235-1790